小林さんがスポーツの指導法を通して社会を変えたいと思うようになったのには2つのきっかけがあった。
1つはラグビーコーチへの転身だ。
小中高と部活でラグビーを続けていた小林さんは、大学でどのような活動を行うか悩んでいた。
そこへ中学時代の恩師から誘いがあった。
「ラグビーコーチをやってみないか。」
この誘いを受け、ラグビーコーチになることを決めた。
そこからは苦悩の連続だった。教えるとはどういうことか、指導とは何か、スポーツ指導の難しさを身をもって感じた。
自分の感覚や知見だけで教えてはいけないと思い、自身と同じ慶應大学の他のチームのコーチを集め、たびたび意見交換を行った。
自分以外の指導を見るようになり、ある問題意識を持つように。
それは指導方法が分からないがゆえに、場当たり的であったり、自分のやり方だけで指導したり、また時には上から目線の指導や罵声を浴びせるような指導になっている現場があるという事実。
もちろん、厳しい練習において養われる気持ちや考え方というのも重要だが、そのバランスこそが大切だと感じたという。
このような現状を目の当たりにし、指導の情報不足を解決し、日本のスポーツ指導を改善・支援していこうと決意した。
もう1つはダブル・ゴール・コーチングとの出会いだった。
大学2年生のとき、ラグビーの指導法をもっと学びたいと思い、日本ラグビーフットボール協会でコーチングディレクターを務める中竹竜二さんのもとで活動するようになった。
様々なプロジェクトを手伝っている中で、アメリカのNPOポジティブ・コーチング・アライアンスによる日本でのワークショップを手伝う機会があった。
ここで初めてダブル・ゴール・コーチングに出会う。
知っていれば誰もがより良い考え方をできるような指導、そしてそれがとても分かりやすいように形式化されている。
この魅力に惹きつけられた。これを日本に導入し、スポーツの教育界に波紋を起こす。
目標が明確になった。
1つはラグビーコーチへの転身だ。
小中高と部活でラグビーを続けていた小林さんは、大学でどのような活動を行うか悩んでいた。
そこへ中学時代の恩師から誘いがあった。
「ラグビーコーチをやってみないか。」
この誘いを受け、ラグビーコーチになることを決めた。
そこからは苦悩の連続だった。教えるとはどういうことか、指導とは何か、スポーツ指導の難しさを身をもって感じた。
自分の感覚や知見だけで教えてはいけないと思い、自身と同じ慶應大学の他のチームのコーチを集め、たびたび意見交換を行った。
自分以外の指導を見るようになり、ある問題意識を持つように。
それは指導方法が分からないがゆえに、場当たり的であったり、自分のやり方だけで指導したり、また時には上から目線の指導や罵声を浴びせるような指導になっている現場があるという事実。
もちろん、厳しい練習において養われる気持ちや考え方というのも重要だが、そのバランスこそが大切だと感じたという。
このような現状を目の当たりにし、指導の情報不足を解決し、日本のスポーツ指導を改善・支援していこうと決意した。
もう1つはダブル・ゴール・コーチングとの出会いだった。
大学2年生のとき、ラグビーの指導法をもっと学びたいと思い、日本ラグビーフットボール協会でコーチングディレクターを務める中竹竜二さんのもとで活動するようになった。
様々なプロジェクトを手伝っている中で、アメリカのNPOポジティブ・コーチング・アライアンスによる日本でのワークショップを手伝う機会があった。
ここで初めてダブル・ゴール・コーチングに出会う。
知っていれば誰もがより良い考え方をできるような指導、そしてそれがとても分かりやすいように形式化されている。
この魅力に惹きつけられた。これを日本に導入し、スポーツの教育界に波紋を起こす。
目標が明確になった。
スポーツコーチング・イニシアチブではダブル・ゴール・コーチングの普及を活動の一つとして行っている。
このダブル・ゴール・コーチングとは、アメリカのNPO法人ポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA)によって考案された指導法。
スポーツの指導において
「人間的な成長」と「試合での勝利」
という2つのゴールを設定するというものである。
このゴールに対してのスポーツ心理学的メソッドやコーチが持つべき基軸・価値観が落とし込まれている。
そのため結果的にスポーツで人間的成長を支援することができるというものだ。
例えば「褒める」ことについて。
日本では10回叱って1回褒めるというように、叱る回数の方が比較的多いことがしばしば。
しかし、心理学的には5回褒めて1回叱るというように、褒めるバランス、またELM(Effort(努力)・Learning(学び)・Mistakes are OK(ミスからの立ち直り))を軸に褒める点を明確にする方がよいとされている。
日本人は改善点を見つけることは得意な傾向にあるが、目立ちにくい良いところ(得点を決めるなどではなく、よく走っていたなど)を見出すことが苦手だ。
このダブル・ゴール・コーチングを通して、ナイスプレーをしっかりと褒め、フィードバックができる指導者の育成を目指している。
このダブル・ゴール・コーチングとは、アメリカのNPO法人ポジティブ・コーチング・アライアンス(PCA)によって考案された指導法。
スポーツの指導において
「人間的な成長」と「試合での勝利」
という2つのゴールを設定するというものである。
このゴールに対してのスポーツ心理学的メソッドやコーチが持つべき基軸・価値観が落とし込まれている。
そのため結果的にスポーツで人間的成長を支援することができるというものだ。
例えば「褒める」ことについて。
日本では10回叱って1回褒めるというように、叱る回数の方が比較的多いことがしばしば。
しかし、心理学的には5回褒めて1回叱るというように、褒めるバランス、またELM(Effort(努力)・Learning(学び)・Mistakes are OK(ミスからの立ち直り))を軸に褒める点を明確にする方がよいとされている。
日本人は改善点を見つけることは得意な傾向にあるが、目立ちにくい良いところ(得点を決めるなどではなく、よく走っていたなど)を見出すことが苦手だ。
このダブル・ゴール・コーチングを通して、ナイスプレーをしっかりと褒め、フィードバックができる指導者の育成を目指している。
PCAを普及する具体的な活動としては、1回2~3時間のワークショップを提供することを行っている。
情報としてだけでなく、リアルな体験を通じて学んでもらい、現場で実践してもらうために。
将来的には、指導者だけでなく、親子などでも参加してもらう2日間のプログラムなども行っていきたいと考えている。
親子でともにプログラムを受けてもらい、保護者が、フィードバックの仕方など、プログラムで学んだことをすぐにその場で実践するというようなものだ。
次のステップでは、ブランコや自転車など、女性でも簡単に教えられるようなスポーツを通して行っていきたい。
また、PCAのワークショップを提供することの出来る、トレーナーの育成も企画している。
現在はまだアメリカのコンテンツを日本で行える資格を持っているトレーナーがいない。
そのため、今年度中に日本初のトレーナーを誕生させることを目指している。ポジティブ・コーチング・アライアンス(米NPO法人)では、すでに860万人の子供と80万人の指導者がこのワークショップを体験している。
しかし、アメリカ以外ではまだ行われておらず、特にアジアでは難しいというのが現実である。
小林さんの活動は、そこに対してのチャレンジである。
情報としてだけでなく、リアルな体験を通じて学んでもらい、現場で実践してもらうために。
将来的には、指導者だけでなく、親子などでも参加してもらう2日間のプログラムなども行っていきたいと考えている。
親子でともにプログラムを受けてもらい、保護者が、フィードバックの仕方など、プログラムで学んだことをすぐにその場で実践するというようなものだ。
次のステップでは、ブランコや自転車など、女性でも簡単に教えられるようなスポーツを通して行っていきたい。
また、PCAのワークショップを提供することの出来る、トレーナーの育成も企画している。
現在はまだアメリカのコンテンツを日本で行える資格を持っているトレーナーがいない。
そのため、今年度中に日本初のトレーナーを誕生させることを目指している。ポジティブ・コーチング・アライアンス(米NPO法人)では、すでに860万人の子供と80万人の指導者がこのワークショップを体験している。
しかし、アメリカ以外ではまだ行われておらず、特にアジアでは難しいというのが現実である。
小林さんの活動は、そこに対してのチャレンジである。
小林さんはトレーナー育成の企画活動に加え、コーチ向けオンラインメディアの運営も行っている。
スポーツ界は情報が閉鎖的であまり流れない。
また、指導法を学ぶには、未だに書籍や新聞に頼っている部分が大きい。
これをオンライン化することで、コーチが学びやすい環境作りをしている。
ここでは、プレーヤーとのかかわり方やコーチとしての考え方、哲学、あり方、ロールモデルを発信している。ときにはマネジメントやチーム作りなどに関しても発信しているそうだ。
教える側ではなく教えられる側に合った指導法が必要。このような理由からあえて練習メニューなどはあまり発信していない。
「大会とかで負けてしまったとしても、スポーツをやっててよかったよねって本当の意味で思えるようになってほしいんです。なんとなく仲間がいて楽しかった、だけではなくて、スポーツを心底愛する人が増えてほしい。そのためにはいい指導者が欠かせないと思うんですよ。」
スポーツを愛する子供が増えてほしいという想いからこの活動を始めた。
そのためにコーチや保護者、体育の先生など、子供とスポーツを通して関わり合う人たちを支援している。
ほかの分野に比べ、スポーツ指導は研修なども義務付けられておらず、学ぶ場や振り替える場が圧倒的に少ない。
そのため自己満足で終わってしまうことも多い。だからこそこの活動を行っている。指導者には常にどこからでも何かを学ぶ姿勢が欠かせない。
新しい発見をしてほしい。
指導者自身が常にいいやり方を見つけていく姿勢が大事であり、それを見て、子供にも学んでほしい。
コーチングだけでなく社会の見方やスポーツの見方を変えていくことで、いい指導者を自然と増やしていく。
人間力が高く、スポーツと科学の知識がある、根拠に基づいた指導ができ、憧れの対象となれるような指導者を。
そして子供たちがその人にあこがれて指導者としてスポーツに戻ってきたいと思えるような環境を作る。これがリカルチャーだ。
スポーツ界は情報が閉鎖的であまり流れない。
また、指導法を学ぶには、未だに書籍や新聞に頼っている部分が大きい。
これをオンライン化することで、コーチが学びやすい環境作りをしている。
ここでは、プレーヤーとのかかわり方やコーチとしての考え方、哲学、あり方、ロールモデルを発信している。ときにはマネジメントやチーム作りなどに関しても発信しているそうだ。
教える側ではなく教えられる側に合った指導法が必要。このような理由からあえて練習メニューなどはあまり発信していない。
「大会とかで負けてしまったとしても、スポーツをやっててよかったよねって本当の意味で思えるようになってほしいんです。なんとなく仲間がいて楽しかった、だけではなくて、スポーツを心底愛する人が増えてほしい。そのためにはいい指導者が欠かせないと思うんですよ。」
スポーツを愛する子供が増えてほしいという想いからこの活動を始めた。
そのためにコーチや保護者、体育の先生など、子供とスポーツを通して関わり合う人たちを支援している。
ほかの分野に比べ、スポーツ指導は研修なども義務付けられておらず、学ぶ場や振り替える場が圧倒的に少ない。
そのため自己満足で終わってしまうことも多い。だからこそこの活動を行っている。指導者には常にどこからでも何かを学ぶ姿勢が欠かせない。
新しい発見をしてほしい。
指導者自身が常にいいやり方を見つけていく姿勢が大事であり、それを見て、子供にも学んでほしい。
コーチングだけでなく社会の見方やスポーツの見方を変えていくことで、いい指導者を自然と増やしていく。
人間力が高く、スポーツと科学の知識がある、根拠に基づいた指導ができ、憧れの対象となれるような指導者を。
そして子供たちがその人にあこがれて指導者としてスポーツに戻ってきたいと思えるような環境を作る。これがリカルチャーだ。
スポーツの指導法の改善だけにとどまらない、大きな目標へと続く。
それはヒエラルキーとなっている日本の社会構造を変えることだ。
その構造の発端の一つがスポーツだと考えている。
だからこそスポーツを変えることで、社会も変えられる。
親と子、コーチと選手のコミュニケーションを変え、関係性を変えることで、社会での関係性も変えてゆける。
もちろん尊敬や敬いの気持ちを持ちながらである。
このような小林さんの強い想いは、行動となって現れている。
小林さんはダブル・ゴール・コーチングの指導法に出会って以降、これを知ってもらいたいという想いがあった。
そのためにアメリカ、シリコンバレーにあるポジティブ・コーチング・アライアンスのオフィスへ乗り込み、その場でプレゼンし、日本での活動を認めてもらった。
また、この想いを本当の意味で届けるためにもNPO法人として活動している。
自己資金で突っ走ってきた今までのフェーズから、大きく広げるために企業や市民、スポーツを愛する人たちとどのようにコラボしてくかということが次なる課題。
ゆくゆくは企業や自治体にスポンサーになってもらいたいと考えている。
スポーツに投資することで人を育てることができるから。
スポーツを続ける人が増えれば医療費も下がっていくだろう。
運動し続けるということがひとつの価値になる。
NPOとして、スポーツに投資することで企業にも社会にも良い影響がかえってくる、ということを示していきたいという。
それはヒエラルキーとなっている日本の社会構造を変えることだ。
その構造の発端の一つがスポーツだと考えている。
だからこそスポーツを変えることで、社会も変えられる。
親と子、コーチと選手のコミュニケーションを変え、関係性を変えることで、社会での関係性も変えてゆける。
もちろん尊敬や敬いの気持ちを持ちながらである。
このような小林さんの強い想いは、行動となって現れている。
小林さんはダブル・ゴール・コーチングの指導法に出会って以降、これを知ってもらいたいという想いがあった。
そのためにアメリカ、シリコンバレーにあるポジティブ・コーチング・アライアンスのオフィスへ乗り込み、その場でプレゼンし、日本での活動を認めてもらった。
また、この想いを本当の意味で届けるためにもNPO法人として活動している。
自己資金で突っ走ってきた今までのフェーズから、大きく広げるために企業や市民、スポーツを愛する人たちとどのようにコラボしてくかということが次なる課題。
ゆくゆくは企業や自治体にスポンサーになってもらいたいと考えている。
スポーツに投資することで人を育てることができるから。
スポーツを続ける人が増えれば医療費も下がっていくだろう。
運動し続けるということがひとつの価値になる。
NPOとして、スポーツに投資することで企業にも社会にも良い影響がかえってくる、ということを示していきたいという。
「スポーツに関わりたいけど、勇気を持って踏み出せるタイミングがなかった。でも、目の前にチャンスがある。なら、やれることをやってみよう。やって後悔するかもしれないけれど、やらないよりはいいと思ったんです。アスリートでありたい。フィジカルではなく、メンタルやシンキングでアスリートでありたい。やるチャンスがあるなら、やらない理由はないですよ。」
小林さんは
「スポーツを通した子どもとの関わり方が、ガラッと変わったら、自分たちの活動は終わる。そんな未来を達成するためにNPOがある」
とまでも言っていた。
小林さんの目標が社会として当然のことになる。
これこそが理想として描く未来だ。
小林さんは
「スポーツを通した子どもとの関わり方が、ガラッと変わったら、自分たちの活動は終わる。そんな未来を達成するためにNPOがある」
とまでも言っていた。
小林さんの目標が社会として当然のことになる。
これこそが理想として描く未来だ。
【 Profile 】
小林忠広
特定非営利活動法人スポーツコーチング・イニシアチブ代表理事
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士1年
社会におけるスポーツの価値を高めることを目指して活動中。
慶應義塾高校時代にラグビー部主将として全国大会に出場。その経験を活かしたラグビーコーチングを続け、現在はコーチとして6年目。日本ラグビー協会U20日本代表総務補佐、日本オリンピック委員会の臨時雇用員を経て、NPO設立にいたる。
慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所 共同研究員。文部科学省認定ワークショップデザイナー。
また アメリカで最も古い大学インターンシッププログラムのAmerican University Washington Semester Programに1年間留学。慶應義塾大学とハーバード大学の共催で行われた世界最大のアジア学生会議HPAIRの運営に関与。
慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所 共同研究員。
文部科学省認定ワークショップデザイナー。
小林忠広
特定非営利活動法人スポーツコーチング・イニシアチブ代表理事
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士1年
社会におけるスポーツの価値を高めることを目指して活動中。
慶應義塾高校時代にラグビー部主将として全国大会に出場。その経験を活かしたラグビーコーチングを続け、現在はコーチとして6年目。日本ラグビー協会U20日本代表総務補佐、日本オリンピック委員会の臨時雇用員を経て、NPO設立にいたる。
慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所 共同研究員。文部科学省認定ワークショップデザイナー。
また アメリカで最も古い大学インターンシッププログラムのAmerican University Washington Semester Programに1年間留学。慶應義塾大学とハーバード大学の共催で行われた世界最大のアジア学生会議HPAIRの運営に関与。
慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所 共同研究員。
文部科学省認定ワークショップデザイナー。
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